一般社団法人とめ青年会議所 2026年度 理事長所信

はじめに
1970年9月、とめ青年会議所の前身である佐沼青年会議所は、「われわれは、流動する新しい時代の現実を冷静に把握し、正しく認識するとともに、自己の研鑽と思索を怠らず、将来に対する的確な展望を立て、地域社会の輝かしい向上発展と福祉国家建設の担い手として団結し、ここに、限りない前進を開始いたします。」この宣言文のもとに全国451番目の青年会議所として設立されて以来、半世紀以上にわたり、この創始の想いを受け継ぎ「修練・奉仕・友情」の三信条のもと、「明るい豊かな社会」の実現に向け運動を起こし続けてまいりました。
時代の変化とともに求められる「明るい豊かな社会」の理想像は変化し続けます。そうした時代の変化を的確に捉え、地域、家族、社業、それぞれの理想のために全力で走り続けてきたのが、我々青年会議所なのです。昭和、平成、令和と時代を重ねるごとに人の価値観は多様性が進み社会が変化し続ける現代において、何ができるのか、何を求められているのかを常に本気で考え、本質を見極めなくてはなりません。それゆえに、所属する会員が自己成長とやりがいを実感し、帰属意識を持って全力で行動し続ける組織こそ真に必要とされる組織であると考えます。「明るい豊かな社会」を目指して、先達から受け継いだ創始の想いと伝統を重んじつつ、時代の変化に対応しながら、とめ青年会議所はより必要とされる魅力的な組織へと「STEP UP」してまいります。
会員が帰属意識を持てる魅力的な組織構築
青年会議所が、地域により良い変化をもたらすために運動を展開し続けていく上で、もっとも必要なのが、地域のために何が必要であるのかを真剣に考え、積極的に行動する会員の存在です。そんな能動的な会員をより多く増やしていくのはどうすればいいのか、この組織が自身の成長ややりがいを実感できる組織であることが重要であると考えます。所属する会員の多くは社業や地域社会において重要な立場にあり、仕事や家族との時間を調整して参加しています。そんな貴重な時間を費やしていただく上で、まずは、我々の根幹である会議の場において、会員同士の活発な意見交換がより効果的に行える運営を心掛けなくてはなりません。個の考えに固執せず、他の視点からもたらされる考えを理解することで得られるものは大きいものです。構築される本質をとらえた運動や活動の展開によって得られる成功体験は自身の成長ややりがいを実感できるものとなるでしょう。青年会議所で得られる学びの多くが社業をはじめ多方面において通じる学びであると会員自身が認識して、組織に所属していることにメリットを見出し、誇りを持てる組織運営を行います。
各種会議における既存の手法やツールに固執せずに見直しを図り、必要とあれば積極的に新しいツールを導入して会員が更なる成長のために活躍の場を地域外へと広げていける体制を構築し、会員が意欲を持って取り組み、求める限り制限なく、自己成長を続けられ、やりがいを実感できる魅力的な組織を作り上げます。
自らの成長を期待させる会員拡大
青年会議所は品格のある20歳から40歳までの青年であれば誰でも入会することが出来ます。そして40歳を超えると現役を退かなくてはなりません。この年齢制限は青年会議所が、青年の真摯な情熱を結集し社会貢献することを目的に組織された青年のための団体であり、常に組織を若々しく保ち、果敢な行動力の源泉とするという青年会議所最大の特徴であります。それゆえに、毎年、卒業という形で仲間を送り出し、新しい仲間を迎え入れ続けなくてはなりません。少子高齢化、景気の変化、地方衰退という時代の流れの中で残念ながらピーク時には、6万人以上いた日本国内における会員数も2025年時点では、約2万6千人と会員数は減少の一途を辿る現状にあり、我々とめ青年会議所においても例外ではありません。
我々がどんなに真剣に地域と向き合い素晴らしい運動を展開していこうとしても多くの市民を巻き込んで広く伝播していくことが出来なければその効果を最大限に生かすことはできません。規模が縮小された運動では、地域により良い影響を与え次代へ繋げるものとはなりえないのです。そうしたことからも会員の拡大は青年会議所の根幹の一つと言えます。目まぐるしく変化する社会情勢の中で自らの社業のために自己成長の機会を一人模索する青年世代の経済人はたくさんいるはずです。こうした潜在する会員候補者を巻き込んでいく上で、まずは、会員候補者がビジネスや人材交流の面でメリットを見出せる機会を通して、自己成長を期待させる魅力的な組織であると認識していただきます。また、SNSを活用して我々の活動や運動を効果的に会員候補者へ広く発信してまいります。会員拡大を行っていく上で重要となるのは会員が当事者意識をもって組織全体で取り組んでいける体制構築です。いくら優秀な専任者がいたとしても個のチカラには限界があります。会員一人ひとりが自身の言葉で青年会議所の魅力を会員候補者へ伝える。こうして、一丸となって取組んでいくことでより効果的な会員拡大を実現いたします。
何十年、何百年と地域に活力を与え続ける登米市佐沼夏祭りへ
地域において、祭りというものは、古来より地域の歴史や伝統を地域一丸となって次代へと継承する役割を担ってきました。近年においても地域経済活性化や観光面における交流人口増加、人と人との繋がり、郷土愛の醸成など、地域コミュニティーが希薄になりつつある現代社会にこそ、地域課題を解決する上でなくてはならない存在なのです。
とめ青年会議所においても地域に根差す団体として長年に渡って登米市佐沼夏祭りに参画し、2015年からは登米市神輿祭を主催し年々規模を拡大するも、コロナ禍を契機に開催中止を余儀なくされ、2023年の再開時には数年のブランクから担ぎ手、団体は減少し、規模縮小しての開催となりました。登米市佐沼夏祭りの来場客数でみれば会場である通りは多くの来場客で埋め尽くされ、「祭り」というものがどれだけ地域から必要とされているのかを実感させられました。我々は、登米市佐沼夏祭りの一翼を担うこの事業を老若男女さまざまな属性の市民が携わることができる事業構築を行い、会場に訪れることの難しい方や故郷を離れた方まで巻き込み、より郷土愛を育み、地域にとって無くてはならない存在へと昇華させなくてはなりません。我々は限られた人数でも効率的かつ効果的な運営が可能な組織構築を模索し、先達が地域に対する熱い想いで生み出し継承してきた登米市佐沼夏祭り事業を通して、より多くの市民や他団体とともに何十年、何百年と地域に活力を与え続ける持続可能な夏祭りを創造してまいります。
魅力的な登米市を広く伝播する
登米市は、観光においては、国内2番目のラムサール条約登録湿地となった「伊豆沼・内沼」の渡り鳥や極楽浄土と評される蓮の群生、明治の街並みを現代へと伝える「みやぎの明治村」を有しており、農畜産においては東北有数の農業地帯であることに加え、有名ブランド牛である「仙台牛」の約4割を生産し、更にNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」のロケ地に選ばれた非常に魅力あふれる地域です。これらの地域資源は各分野において全国、世界に通用する潜在能力を秘めており、我々は、こうした魅力溢れる地域資源を効果的に活用し、広く発信していかなくてはなりません。2014年から開催され、過去11回の開催で延べ3万2千人以上のランナーと24万5千人の来場者を全国のみならず世界から集めてきた[東北風土マラソン&フェスティバル]の場において、登米市の魅力的な地域資源を発信し、広く拡散してまいります。
そしてもう一つ、地域の魅力を外部へと発信していく上で、地域住民が登米市の魅力を魅力として認知していることが大切です。外部から見た時に魅力的な資源であっても、登米市に住み暮らす人々にとっては当たり前過ぎて、魅力に気づいていないものもたくさんあります。まずは、地域に住み暮らす人々がその魅力に気づき、多くの人に伝えたい・発信したいと思えることが大事なのです。もちろん、登米市民に郷土愛が無いとはいいません。地域を愛し、活動されている市民もたくさんいます。我々はまちづくりを担う組織として、より多くの市民に地域の魅力に気づいていただき、郷土愛を醸成していただかなくてはならないのです。そのために、地域にある資源に再度フォーカスをあてて、掘り起こし、そこに新たな魅力という付加価値を加え、発信することで地域に住まう人々が新しい魅力を通して、その資源本来の良さに気づき、広く知ってもらいたいと思える機会の創出が必要です。本年も長沼フートピアトヨテツの丘公園のオランダ風車のライトアップ事業を通して、地域住民が誇れる登米市にしかない新たな魅力として、広く発信してまいります。
子供たちが郷土愛を持てる登米市へ
登米市において人口流出は顕著な問題であり、とりわけ子育て世代の流出は深刻な問題となっています。現在、登米市内においては子供の減少から一部の小学校および全中学校の統廃合計画が進められています。加えて、室内遊びの充実や核家族化・地域コミュニティーとの関わりの希薄化により、子供たちが地域と関わる機会は減少し、郷土愛を育みづらい環境にあります。人は自身の経験を持って人生の選択をします。子供たちが成長し、子育て世代となった時に故郷での楽しい思い出があった、ここで育って良かったと思えてはじめて、地域に根を張り、わが子を育てていきたいと思えるのだと考えます。我々は、子供たちが同世代の仲間とともに地域に触れ、楽しい思い出として記憶に残る原体験を通して、未来を担う世代が地域に愛着を持って成長していける機会を提供してまいります。
結びに
私は2016年にとめ青年会議所の門を叩き、そこから様々な役職を経験させていただきました。こうして今10年間を思い返してみて思うことは、青年会議所にはここでしか学べない学びと成長の機会がたくさんあるということです。私は本当にたくさんの経験をさせていただきました。社業との両立がうまくいかずに投げ出したくなったこと、担当する事業が失敗し、逃げ出したくなったこともありました。しかし、そのたびに先輩諸兄や仲間たちに支えられながら一つずつ乗り越えてくることができました。そうした失敗や辛い経験は糧となり、自身の成長へとつながってきました。人生ではじめてうれしくて涙を流す経験をしたのも青年会議所です。普通に生活している上では、知り合うことのできない様々な職種・属性の人たちと共に密な時間を過ごし、切磋琢磨し、励まし合い、卒業しても一生付き合っていける仲間たちと出会うこともできました。先に述べた通り、様々な役職を通して辛い経験もしてきましたが不思議と終えた時に受けなければ良かったと思ったことは一度もありません。今の私がいるのはこの青年会議所のおかげなのです。奇しくも現役最後の年に理事長という大役を担わせていただく事ができました。10年間の恩返しとして地域のため、この組織のために全力で取り組んでいく所存です。2026年度、我々とめ青年会議所は必要とされる魅力的な組織を目指して地域のために1年間走り続けてまいります。
<基本理念>
STEP UP
~必要とされる魅力的な組織へと~
<事業計画>
1.登米市佐沼夏祭り事業への参画
2.登米市神輿祭の企画・運営
3.会員・会員候補者の交流を促す事業の開催
4.子供たちの郷土愛を育む事業の開催
5.会員の成長を促す研修事業の開催
6.登米市の新たな魅力を発信する事業の開催
7.会員、家族、OB・OGとの交流

